お祭りに欠かせないものの一つにだんじりがあります。お祭りのシーズンになると、遠くから鐘や太鼓の音が聞こえてくる機会も増え、とってもワクワクしますよね。子供のころにだんじりを引いた思い出がある人もいるのではないでしょうか。
だんじりは近くで見ると、とても迫力があり、子供のあこがれ的な存在でしたよね。そんな見た目にもかっこいいだんじりですが、実はいろいろな種類があるって知っていますか?
だんじりは形や構造によってたくさんの種類に分かれていますが、大きく分けると2つに分類され、「上だんじり」と「下だんじり」という名前がついています。今回は、それら二つのだんじりの違いについて詳しく紹介していきたいと思います。
上だんじりと下だんじりの構造の違い
上だんじりには構造の違いで細かく分けるとさらに約20種類のだんじりに分類されます。しかし下だんじりには「岸和田型」というタイプの1種類しかありません。具体的な構造の違いについてみていきましょう。
上だんじりは全国各地、地域や地方によって形は様々でたくさんの種類があります。つまりは、下だんじり以外のだんじりがはすべて上だんじりという分類になります。
下だんじりと上だんじりの決定的な違いは『担い棒』、『肩背』、などと呼ばれる枠が付いているかどうかということです。
上だんじりには「担い棒」や「肩背」があるのに対し、下だんじりにはこうしたものがついていません。周りの囲いがない分、下だんじりはすっきりした印象のあるだんじりとなっています。
上だんじりと下だんじりの地域の違い
下だんじりが「岸和田型」と呼ばれていることで察しがついている方もいると思いますが、下だんじりが使われている地域は、大阪府の泉州地域、特に泉南地域です。
一方、上だんじりはその他の地域にあるだんじりすべてになるので広範囲に存在します。だんじりの文化は関西地方に特に多くあり、各地でいろんな型があります。
例を挙げると、住吉型(大佐だんじり)・堺型・大阪型・石川型(仁輪加だんじり)・北河内型・大和型・神戸型・尼崎型・舟型・社殿型・宝塚型などがあります。
上だんじりと下だんじりの重さの違い
上だんじりと下だんじりの違いは、構造や地域差以外にも重さがあります。構造の部分でお話した通り、上だんじりには担ぎ棒や肩背というようなパーツがついていることが特徴でした。
こうしたものがついているということで上だんじりのほうが重くなっているイメージがあるかもしれませんが、実は真逆で下だんじりがのほうがとても重くできています。
上だんじりは比較的軽く、上り坂でも登っていくことができるほどですが、下だんじりの場合は、大きいもので4mを超えるものもあり重さも5tにもなるほどの重量感があります。
さすがに5tともなると、普通に引くことも大変そうなイメージがありますね。しかし、重いからこそいいこともあります。だんじりは引きながらさまざまな見せ場があります。
その中の一つである「やりまわし」は、走りながら曲がり角を曲がるという演出です。とっても勢いがあり見どころのある場面ですが、下だんじりはとても重いので、スピードと遠心力にも動じず、安定のある回転をすることができます。
下だんじりは重さゆえに安定感があるということが利点でしたが、上だんじりは軽さと担い棒があることにより機動性が高いことが特徴です。そのため、だんじりをひいている最中に様々な技が行うことができます。
最もポピュラーなものだと、担い棒を担いで後輪だけでだんじりを支え、ウイリーさせる「差し上げ」というものがあります。特に河内地域ではほとんどのところで行われています。
その差し上げのさらに上級の技として後輪の車輪一点でだんじりを支える「一輪立ち」という技もあり、その姿勢でだんじりを引いたり、だんじりの屋根などで演技をしたりする「しこり」「でんでん」などといった演出もあります。
しかしこの演出は危険を伴い、踊り子さんがけがをしたり、だんじりがが破損するような事故があったこともあり、行われる地区は少なくなってきています。
その他、定番の演出としては、だんじりを横に揺らす「横しゃくり」や縦に揺らす「縦しゃくり」などもあり、各地特有の掛け声なども重なることで、とても盛り上がる演出になります。
まとめ
関西地方を中心に広がるだんじり文化ですが、大きく分けて2種類のだんじりの形がありました。
・上だんじり
比較的軽く機動性が高い。
ほとんどのだんじりががこの形態で地域によってさまざまな種類がある。
担い手があるのが最大の特徴
・下だんじり
泉州地域に特化して広がった形のだんじりで「岸和田型」とも言われている。
担い手はないが、かなり重量があり、大きいものでは4mを超え重さも5トンを超えるものまである。
各特徴によって得意な演出などもありますが、いずれもお祭りにはなくてはならない大切な存在であることには変わりありません。
今年のお祭りは、だんじりの形にも注目してみるのもいいかもしれませんね。
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