来年こそは良い年にしようと、今年は家族で門松でも作ってみようと考えている家庭もあるのではないでしょうか。
でも、門松の材料を目の前にしていざ作り始めると細かい疑問が次々に出てきますよね。その一つが竹に関する疑問です。あなたの頭の中に思い浮かぶ門松の竹の切り口は斜めになっていませんか。
門松の竹の切り方には日本独特の考えや教えがあり門松作りにもそれが活かされているんですよ。あなたの家に福を呼び込むための門松の竹を斜めに切る理由とその竹を切る角度や竹の長さについてお伝えします。門松作りの参考にしてください。
門松を斜めに切る理由
門松作りに大切な竹の切り方には2種類あり、その2つというのが「ソギ」と「寸銅」です。今回は「ソギ」についてのお話をしていきましょう。「ソギ」は竹を斜めに切る切り方を言います。
では、門松は何故斜めに竹を切るのか理由を見ていきましょう。
門松の竹を斜めに切る理由①
門松の竹はもともと「寸胴」 竹を真横に切る事が普通だったのですが、「そぎ」は徳川家康が、生涯で唯一負けた武田信玄(竹)に対して、「次は斬る!」という念を込めて切ったのが始まりという説があります。
つまり、強い意志の表れであり家々にもその意志が受け継がれたといわれています。
門松の竹を斜めに切る理由②
斜めに切った、切り口が笑った口に見えることから「笑う門には福来る」という縁起を担いでいるという説もあります。笑う門には福来るにあやかり接客商売を行う人が好んで使う門松の切り方です。
どちらにしても、先人達の想いが今日まで生きている証であるのではと私は考えています。門松についてのイメージって聞かれたら斜め切りの竹と考えるのが自然な感じがしますね。
私もソギの門松がやはりポピュラーで、寸銅切りの門松は正直あまり拝見した事がないですね。あなたはどちらの切り方の門松を見かける方が多いですか。
門松の竹を斜めに切る角度
「ソギ」について意味はわかったところでもう少し詳しく見ていきましょう!次に竹を切る際の角度に注目していきましょう。
門松を作る際に、竹を切る角度はこうしなさいなどという細かな定義はありません。作り手の好みで角度をつけてあげて大丈夫です。
しいていうならば、思いきって竹に角度をつけた方が切り口が綺麗に見えます!ちなみに切る時は、上から下に向かって切るのではなく、下から上に向かって切ることをオススメします。
理由は上から下に切ると「カエリ」というギザギザしたものが出てきて、綺麗な断面にする事ができなくなるからです、また必要であれば最後に断面にヤスリをかけてあげるとなお綺麗で見栄えのいい断面に仕上がりますよ。
また、竹を切る際のもう1つのポイントとして切り口に竹の節を入れるか、入れないかで表情が変わって良い出来栄えになります。
・節を入れない場合・・・ 切り口に節がなく、シンプルで美しい型に仕上がります。
・下の方に節を入れる場合・・・ 竹の下に少し節を入れてあげると口のように見え、少し微笑んでいる様な可愛らしく仕上がります。
・真ん中に節を入れる場合・・・ 先ほどと同じ節を入れる仕上げ方でも、真ん中に節を入れると竹が大笑いしている様な雰囲気に仕上がり、とても楽しそうとう印象を受けます。
竹の切り方1つで、グッと違う顔を見せてくれるというのも作る人にとっても楽しみを与えてくれるし、それぞれ作ってみたいという風な気持ちにさせてくれるのではないでしょうか。
門松の竹の長さ
門松に使用する竹の長さのお話をしていきましょう。まず、用意するのは竹を3本です。竹の長さは立てる容器とのバランスが大切になってきますが、家庭用に門松を作成するのであれば長さ120㎝〜150㎝ぐらいが丁度いいとされています。
門松の竹の長さにも日本ならではのこだわりと縁起が良いと数字の並び使われていて、3本の竹の長さの比率を7:5:3で作ることが良いと言われています。
意味合いとしては男性が7、女性3、5は2人の間を取り持ってくれると意味があり夫婦円満の象徴とされています。全てが奇数で統一されている背景には結婚式と同じ意味合いである「割り切れない」という意味が込められているからです。
この様に門松を作るにあっても日本の良さを取り入れている事が素敵な事だとは思いませんか。日本の素晴らしさ、日本人の素晴らしさまだまだ沢山あると思います。
まとめ
今回は門松の竹を斜めに切る理由とその際の竹の角度や竹の長さについてご紹介しました。いかがでしたか。
門松の竹を斜めに切る理由は徳川家康の念が込められている、また、切り口が笑い顔に見えることから「笑う門には福来る」という家庭円満を願うためです。
門松の竹を斜めに切る時の角度については決まってはおらず、個人の好みで角度を変えることができます。切り口に竹の節を入れる入れないで門松の表情が変わるのであなたの家庭への想いや豊富を込めた形に切るといいでしょう。
門松の竹の長さについても縁起の良い数字が使われていて7:5:3の比率で切ると割り切れないという意味で夫婦円満の象徴となります。
門松の竹一つにとっても昔からの言い伝えや教えが隠されていて 現代の私たちに伝え残そうとしていることが良く分かりましたね。
門松作りには縄が必要ですが、門松の縄の結び方については次の記事が参考になりますよ。ぜひ、読んでみてくださいね。
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