長い間しまっていた本を再び取り出して読もうとした時、湿気で紙がヨレヨレに波打っていたと言う事はございませんか?
これがお気に入りの本であれば尚更悲しくもあり、なんとか元通りになるようにと試行錯誤して見たりもしますが、なかなか元通りとまでは行かないものですよね。
最近の書店では、古本を扱うところも増え、古本なのに見れば見るほど新書に見えてしまうのが不思議なくらいですが、いったい、どのような方法で古本を新書同前にしているのでしょうね?
今回は、湿気でよれた本の直し方やよれる原因、またよれないようにする為の対策などをご紹介します。
湿気でよれた本を直す方法
日本は湿度が高い国で知られており、平均湿度は70%前後とも言われています。特に気候的にも梅雨の時期などは90%以上の湿度にもなり、何らかの対策を講じなければ家中にカビが発生することにもなります。
また湿気は梅雨の時期に限らず、冬でも窓際などは結露しやすい場所なので、出窓に本などを置きっぱなしにすると一気に湿気を吸収してよれてしまい、おまけにカビが生えたりして汚れてしまいますよね。
一度湿気で汚れた本は、布団などのように乾燥すれば元通りになると言うものではなく、天日に干した場合などは、汚れやよれが更に悪化するものです。
以前、お気に入りの本を水で濡らした事があり、全てのページが波打ってしまったため、外に出して天日に干したらそのままの状態で紙はガビガビになり、本を閉じても濡れた部分だけ浮き上がる状態になったため、新しく買い替えたと言う経験があります。
こんな時、直す良い方法を知っていたらとつくづく思いました。その為、一般的に行われる方法を少し挙げて見たいとおもいます。
スチームアイロンで伸ばす
紙幣などの皺伸ばしにスチームアイロンを使う事があるので同じように本のよれもある程度は直ると言えます。しかし、紙幣と本の紙では元々紙質も違うため、普通の本の場合では破れやすく、上手く行ったとしても広がるなどや黄ばむなどの汚れも生じてしまいます。
上から重石をして一日放置する
湿気でよれができた程度の傷みは、この方法でほとんど直ると言われていますが、カビなどの発生も気になるので完全とは言えないかもしれません。
コピー用紙などのような湿気を吸収する紙を一枚一枚挟み、そのまま閉じて重石などで圧力をかけ、湿度のある部屋で数時間放置する。
実はこの方法が効果的といわれており、古本を扱うbook―offでは、反りやよれなどのある古本を温めてから圧縮機を使って直していると言います。
一般の家庭では圧縮機などが無い為、やはり湿気を吸うための紙を挟み、重さのある辞書や厚い本などを上に乗せて湿度のある部屋で数日放置しておく方法が良いと言えますね。
冷凍する
本を冷凍するなんて考えた事も無いですが、湿気でよれた本を元通りにする方法としてこれが一番効果的と言われています。
冷蔵庫内には適度な湿度があり徐々に乾燥する為、湿気でヨレてしまった本をビニール袋などに入れたあと、空気をある程度抜いて縛りそのまま冷凍庫内で数時間放置するだけで凍結乾燥の状態になります。
その後、袋から取り出した本に重石をして数日放置すると元通りになるのです。この方法は雨に濡れてしまった本も完全に直せると言う事なので、湿気を吸ってヨレてしまった本くらいなら簡単に直せると言えますよね。
もっと早く知っていればよかったと思いますが、お困りの方は是非試してみてはいかがでしょうか!
本が湿気でよれてしまう原因
本に限らず、トイレットペーパーもキッチンペーパーも少しの水分が付くだけで直ぐによれてしまいますよね。何故、簡単によれてしまうのか、疑問に思った事はございませんか?
実は、紙を製造する場合、その工程途中で乾燥させていますが、水分は全くの0ではなく、6~7%ほどの水分を均一に分布させてあります。
その為、紙の表面には若干の歪みが生じており、その部分に外から水分が入ると、この均一さがなくなり歪みの部分が緩んで凸凹が生まれるのです。
そこに、ドライヤーやドライアイロンなどの急激な熱による乾燥が加わると、そのよれの部分が更に悪化すると言う事になるわけです。これ等のメカニズムから考えると、よれた本を修復するためにはゆっくり時間をかけて行う事が良いと言う事が理解できますよね。
湿気で本がよれない対策
日本の家屋は、日本の風土や気候に合わせたつくりになっており、湿気にも強くできています。しかし、現在は洋風的な高気密高断熱住宅が多くなり、湿度の高い日本の気候では湿気によるカビやダニなどで悩むご家庭が増えています。
湿気と言えば、紙などは特に吸収しやすい為、本棚に納められている本にカビが発生したり、よれてしまったりする事はありますよね。
特に引っ越しの時、段ボール箱に本をしまったまま、押し入れに長く入れていると、いつの間にか湿気を含んでフニャフニャになっていたと言う事は多くの人が経験しているのではないでしょうか。
お気に入りの本や大切な本が湿気でヨレテしまったりするとガッカリしますし、更にカビや虫食いなどがあってはどうしようもありませんよね。
その為、押し入れなどの湿気のこもりやすい場所には紙類を入れないようにすることが大切であり、日常的に部屋の空気の入れ替えや風通しを良くするなどの工夫が必要です。
また、本棚に入れる時は余裕を持たせないように入れ、乾燥剤などを偲ばせる事も良いと言えます。そしてやはり入れっぱなしにするのではなく、一年に一度くらい風通しをする為に本の出し入れも必要ですね。
部屋自体が北向きで湿気を呼びやすい場所であれば、除湿器やエアコンなどを上手に使う事も大切であり、部屋の湿度は50%~60%前後位に保つようにしましょう。
まとめ
湿気によってよれが生じてしまった本が冷凍することで元通り奇麗な本に生まれ変わるのですから、これは驚いてしまいましたね。
もっと早く知っていれば新しく買い替える事もなかったと後悔していますが、同じように本の湿気でお困りの方がこの記事を読んで、少しでも湿気から本を守る事が出来れば幸いです。
それでは、今日のまとめとして以下のようにまとめてみましたのでご参考にしてみてください。
・本の湿気によるよれなどは冷凍と重石によって復活する。
・本が湿気によってよれる原因は、もともと紙を作る工程で6~7%の湿気を残して乾燥させている為、目には見えない歪みがありその歪の部分に余分な水分が加わることで更に凸凹が生じてしまう。
・湿気によって本がよれない対策には、除湿器、或いはエアコンなどを利用して部屋の湿度を50%~60%前後に保ち、また乾燥材などを本棚に入れる事も湿気対策になる。
また、こればかりでなく部屋の喚起を行い本棚や部屋の風通しを定期的に行う事も必要ですね。
以上、湿気でよれた本を直す方法やよれる原因、またよれないようにする対策などについてお伝えしました。参考になさってくださいね。
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