職場をはじめ、何かみんなから出資を募りたいと思ったときに作る奉加帳。みなさんのところに回ってきたことはありますか?
平安時代に神社へ寄付をした人や金額を書き記す帳面として使われていた奉加帳は現代の中では、ある目的の中で金銭を集めるためのものとして使われています。
代表的な使い方の一つとして、結婚式のお祝いの資金があげられます。多くの人からお金を集めるのに便利な奉加帳ですが、どうやって作るのかといわれると難しいと思っていませんか?
奉加帳が回ってきたことはあるけれど、いざ自分が回す側になったら急にハードルが上がってしまうような気がしている人もいるかもしれません。でも奉加帳はポイントさえ押さえておけば誰でも簡単に作ることができます。
初めて奉加帳を作る人でも安心な作り方や結婚のお祝いの時の奉加帳の文例も交えて紹介しますので、奉加帳作りの参考にしてみてください。
奉加帳の作り方
奉加帳に記載するのに必ず入れなくてはいけない項目は、集金の目的です。なんのためにお金を集めるのかを明確に書かなくてはいけません。
そのほかにも、集めるお金を一人当たりいくらと決めるのであればそのことも明記する必要があります。また、出資してもらった人の名前や住所、金額が自由な場合は、出資額の欄も作るようにしましょう。
職場などで奉加帳をまわす規模が大きくなるような場合は部署の記入もあったほうがわかりやすいかもしれません。
そして最後に、お金の集め方も書かなくてはいけません。
奉加帳を作成した人が直接回ってお金を集めるのであれば、この項目は不要ですが、振り込みや後日集金して回る場合はその日にちや時間、方法など細かい記載があると親切です。
奉加帳の作成。結婚のお祝いの場合。
結婚式のお祝いに奉加帳を回す場合は、ご祝儀として渡す場合や、みんなで出し合ったお金で何かを購入するといった使い方になります。お祝いでの奉加帳の作成の方法も、基本的には同じです。
結婚をされる方の名前とそのお祝いのための奉加帳であることをわかりやすく記入しましょう。もし、お金ではなく集まったお金で何か品物を購入する予定の場合などは何を購入する予定なのかの記載も必要です。
きちんと相手の方に品物やお金を渡した後は寄付に賛同してくれた人へ報告するのもマナーの一つでしょう。
奉加帳を回すときに気を付けたいポイントとは?
奉加帳はあくまでも善意によるもので強制ではありません。特に結婚のお祝いなどはおめでたいことなので断りづらい内容のため、奉加帳を回された方も不本意ながら払うという方もいるかもしれません。
奉加帳の欠点の一つに、どこまでも回って行ってしまうというのがあります。いくらお祝いといえども、全く知らない人のお祝い金を出すのはちょっとためらってしまいませんか?
こうしたトラブルを回避し、奉加帳を回す人も、寄付をする人もどちらも気持ちよく行えるような配慮が必要です。規模がそこまで大きくない場合は、奉加帳を立ち上げた本人が目的にあう人のところへ直接出資をお願いしに行くのがよいでしょう。
奉加帳の特性上、「回しておいて」とほかの人に頼みそれが重なるほどに、どんどん関係ない人のところにまでまわって行ってしまいます。これによって本来お祝いされるべき人が、奉加帳が回ってきたばっかりにしらないところで煙たがられているというのもつらい話です。
奉加帳は作るだけではなく、回すときにこそ気を付けることが多いです。
奉加帳に書く文例は?
奉加帳は皆さんからお金を集めるためのものなので、用途がしっかりわかるように書かなくてはいけません。
相手に何かを伝えるときの基本ですが、5W1Hを意識して文を考えるようにしましょう。5W1Hとは、「いつ」「どこで」「誰が」「なにを「なぜ」「どのようにして」という6つの要素をまとめた情報伝達の基本です。
簡単な文例を以下に載せていますので、必要な個所はご自身の状況に合わせて変えつつ使ってみてください。
奉加帳を回す場合のテンプレート
○○さんが結婚式を挙げることになりました。
そこで同僚の有志一同でお祝い金を出したいと思います。
つきましては、お祝い金にご賛同いただける方は、
こちらの奉加帳へ必要事項の記入をお願いします。
なお、お祝い金は1口****円としたいと思います。
お祝い金については〇月〇日までに○○までお持ちいただくようにお願いします。
まとめ
一つの目的のために有志で出資を募る際にとっても便利な奉加帳のシステムは、結婚式のお祝い金をはじめいたるところで使われています。地域によって若干の使い方の差はあるものの、主に出資の意志がある人が帳面に名前と金額を記入するという方法が浸透しています。
奉加帳が回ってきたことはあるけれど、実際作るのは大変そうと思っている人はいるかもしれませんがとても簡単に作成は可能です。見本となる文例を載せているので参考にしてみてください。
奉加帳の一番のポイントは、作り方よりも回し方にあります。いろんな人の手に渡り、本来の趣旨とかけ離れてしまうようなところまで回す範囲が広がってしまわないように気を付けましょう。
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